2023年12月16日土曜日

33歳の肖像画

今日は「楽聖」と誉の高い

ベートーベンの誕生日。

ベートーベンは持病の難聴があり、

20代後半頃には最高度難聴者となりました。

音楽家として聴覚を失うことは

死にも等しく、その絶望感から

1802年には『ハイリゲンシュタットの遺書』を

記し自殺も考えました。

しかし、音楽への強い情熱で

苦悩を乗り越え、新たな芸術の道へと

進んでいきました。

下の肖像画は1803年作ですから遺書を認めた

翌年に完成したことになります。

人生の試練を乗り越える前後から制作された

ものと推測できますが、優しい面差しから精神的な

落ち着きすら感じます。

そして、ほぼ耳が聞こえなくなり

ピアニスト兼作曲家から完全に作曲専業へと移った 

1804年の交響曲第3番を発表したのを皮切りに、

その後10年間にわたり『傑作の森』と呼ばれる時期に

入ります。