2020年3月3日火曜日

喉声

ある日のレッスンです。

男声生徒:「喉で歌うな」と合唱団で言われたのですが
声帯は喉にあるので、どうしたらよいか分からなくなってしましました。
どうしたらよいのでしょうか?

講師:それは何の音で、母音は何ですか?

生徒:高いファで、母音は「エ」です。

講師:「喉で歌うな」という言葉だけでなく
「喉を開けて」「奥をあけて」など様々な指示をたびたび耳にしますね。

講師や合唱指導者が使う指示は、大きく分けて2通りあると思います。
①.受け取り側がイメージで感じ取らなくてはならない指示。
②.身体の部位などを的確に示した指示。
 
両方とも大切な指示方法です。
そして、「喉で歌うな」は、①の指示だと考えます。
仰る通り声帯は咽頭部分にありますし、
男声の高音では、どうしても声帯にテンションを感じてしまうことも
あるでしょう。

では、歌ってみてください。(生徒が歌う)

高音で支えを入れた時に、まるで思い荷物を持ち上げる時のように
咽頭部に「ん」という力みが入っています。それでは、
伸びやかに発声できません。
この場合の「喉で歌うな」は「喉だけで歌うな」が正しいですね。

腹部の支え、咽頭部のリラックス、口腔内スペースバランスとタイミング
考えて、歌ってみましょう。
(口の開け方、支えのタイミングなど数回直す)

生徒:この歌い方だと、喉へのテンションが下がり、
声の響きが上の方へ来て、楽になりそうです。

ポイントと練習法
腹部の支えは咽頭部分をリラックスさせる役割もあると
考えましょう。
まずは支えを入れた時に、咽頭部、顎や舌に力を入れない
練習を歌わずに行ってみましょう。
この感覚を繰り返し行って、身体に覚え込ませましょう。