2022年10月6日木曜日

タトラ山地の民族音楽

  シマノフスキ(左)

今日は、ポーランドの作曲家

カロル・シマノフスキ( 1882 - 1937)の誕生日。

日本の演奏会ではあまり目にしない作曲家です。

シマノフスキの創作期は3期に分ける事ができます。

第1期:後期ロマン派の作風

第2期:印象主義派の作風

第3期:民族音楽の作風

第3創作期、シマノフスキは

ポーランド南部のタトラ山地の民俗音楽に傾倒して行きます。

特に影響を受けたのはグラル人と呼ばれる

牧畜を主体とする農民に伝わる民謡で

その民謡は、リディア旋法や、ビブラートを加える歌唱法、

突然の不規則なフレーズの挿入が特徴です。

彼はタトラ山地の木造の民家の隅で、

農民たちが床を踏みならして活き活きと踊る姿を

見て楽しんだといいます。

また、エッセイの中でシマノフスキは

「ポーランドの農民は芸術家に匹敵する」と語り、

自身の作品に反映させていきました。

反映された作品としては、

「20のマズルカ集 op.50」で、

民謡のリズムや

バグパイプを模した5度の単純な持続音や反復音、

不規則なフレージングを大胆な複調の中に

聞くことができます。