2020年7月20日月曜日

夢のあとに

「夢のあとに」は、声楽レッスン曲に持ってくる生徒さんが
多い作品です。

歌詞はイタリアのトスカーナ地方に古くから伝わる詩を、
パリ音楽院の同僚でもあったロマン・ビュシーヌがフランス語に翻訳したものです。

内容は、夢で出会った美しい女性と幻想的な時間を過ごし、
夢から覚めた後、あの女性の幻影を返してくれと哀しく叫ぶ
ひとりの男性の姿を描いています。

この曲が作曲された前年、フォーレは婚約を破棄され精神的に大きな打撃を受けました。その経験が作品に影響されているとも言われます。

またメロディーの美しさからパブロ・カザルスがチェロ独奏に編曲してから
チェロの小品としても親しまれています。